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風とビスコッティ

第3回ゴールデンエレファント賞受賞「クイックドロウ」作者です。ある日ブログのタイトルを思いついたので、始めることにしました。できれば世の役に立つ内容を書き記していきたいと思っています。

年末調整と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社と、愛のままにわがままに

年末調整の季節。合併を繰り返した保険会社の名前が長すぎるとニュースになっていた。


Yahoo!ニュース - 長い社名、年末調整騒動で公式回答 (web R25)

 

 

一例に挙げられていたのは「損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社」などだ。確かに長い。年末調整の書類の、あのちっさい欄に書き込むことを想像すると、米粒に般若心経を書く方がまだ容易に思える。

だがお互いの社名を尊重した結果の苦渋の選択というのも理解できる。名称を略すことは難しいだろう。例えば音楽界で「Bon Jovi」と「MR.BIG」が合併したとして、バンド名を「Mr.Bon Jovi」に改名するだろうか?いやそれはない。

※ガンズアンドローゼス、シャ乱Qといった例外には言及しない。私は忙しいのだ。

 

だがユーザーに親しみを持って覚えてもらえる商品名、サービス名にするためには、適切な文字量に収める必要があるだろう。

 

 

大切なのは文字量だけだろうか?

 記憶のしやすさに影響を与えるのは、文字量だけでなく、言葉の意味や語感も重要だ。理解できない言葉は例え三文字でも覚えられない(※私はジェームズ・キャメロンが監督した深海SF映画のタイトルが覚えられない。どうしても“アヌス”という言葉が浮かんできてしまう)

 

例えば

リガトーニ・アッラマトリチャーナ”

と言われると何のことか分からない上、絶対に暗記できない。だが、

“ベーコン・玉ねぎのトマトソースとマカロニ、サラダも付いて850円”

と言われると、にっこり笑って注文し、食後のエスプレッソもよろしくね、という気分になろうと言うものだ。

 

話は変わるが、同じ理由でワインに知識の無い私は、葡萄の品種や蔵元の名前が羅列してあるワインリストを見せられるといつも困惑する。

ワインに詳しい知人にその話をすると

「知識がないことを恥ずかしがる必要は無い。軽めの白がいいとか、重たく渋い赤がいい、とか、客は自分の好みを伝えればいいんだよ。店の人たちはプライドを持ってワインをそろえている。好みを伝えれば、それに合ったワインがどれなのか、必ず教えてくれるよ」

と言われた。

だったら最初からワインリストに「重めの赤」とか「軽めの白」とか書いとけと思うのだが…。

 

 

長短に関わらず覚えられる不思議

 ちなみにやたらと長い曲名だが「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」や「いとしさとせつなさと心強さと」は覚えていられる。文字量としてはなかなかのボリュームがあるにも関わらず、だ。

 

これに関しては、単純に曲のフレーズと一緒に覚えているのだと思う。

物事を暗記するための歌というやつはたくさんある。例えば巨乳の女性にカップ数を聞いた直後、八十五パーセントの男性が口ずさむと言う、ABCの歌もそれだ。26文字の順列を暗記するのは大変だが、音楽に合わせてならそれが可能なのである。

 

歌ではないが、サラ・ジェシカ・パーカーやキャサリーン・ゼタ=ジョーンズなどの長い人名も、語呂が良いので覚えていられる。「長い顔の人」とか「マイケル・ダグラスの嫁」と呼ぶことはない。日本人にも発音しやすくて、口にした時に気持ちがいいフレーズだからだろう。

※我々は“タランティーノ”は発音できるが“クェンティン”は苦手だ。

 

 そうやって考えてみると、コマーシャルソングの力はやはり偉大で、富ぅ士ぃ!サァファリパーークッッ!や伊東に行くならハートーヤッ!などの施設名は、一度も行ったことがないにも関わらず、まるで初恋の相手の名前のように覚えているものだったりする。

 

そうやって考えると、合併を繰り返して長くなってしまった保険会社、銀行などが次に打つべき手は、適当な略称を考えることではない。小林亜星やキダ・タローにお願いして日本国民の心に響くコマソンを作ることだ。Bzあたりにシャウトしてもらえばきっとアビスよりも深く浸透するだろう(適当)。

 

abyss(英)【名詞】深いふち,底の知れない深い穴.