アメリカでキャンピングカーをレンタル(4) ~キャンプサイトでのインフラ編~
過去記事はコチラから↓
アメリカでキャンピングカーをレンタル(1) ~借りるまで編~ - 風とビスコッティ
アメリカでキャンピングカーをレンタル(2) ~実際にキャンプする編~ - 風とビスコッティ
アメリカでキャンピングカーをレンタル(3) ~運転する編~ - 風とビスコッティ
少し前に、電気自動車が搭載した巨大バッテリーによってキャンプ場で電源を確保できることをCMにしていた。
“電気自動車が実現する、ハイテクで快適なアウトドア生活”というわけだ。
だが、アメリカではそんなハイテクかつ繊細なソリューションは行わない。根っから大雑把な彼らはむしろ、キャンプ場にそのまんま電気や水道や無線Wi-Fiを引いてくる。キャンプ場にもコンセントがあり、家で過ごすのと同じようにテレビやネットが見られる、プレステで遊べる。そしてアイスが冷やせてピザがあっためられるのだ。
モーターホームでキャンプ場に乗り付け、指定されたサイトに駐車すると、据え付けのテーブル・椅子に加えて、上図のようなものが目に入るだろう。
これこそが、モーターホームの車内を自宅にいるかのように快適にしてくれるインフラなのだ。中央の配電盤にコードをつなげば電気が供給され、地面から出ている給排水の口にホースをつなげば水道が使える。
ちなみに給水と排水の口とホースは別々だ。モーターホームでは移動中でも水道が使えるようになっているため、排水は自動的にタンクに貯められる。なので給水はホースをつないで随時行うが、排水に関しては都度「タンクの中身を下水に流す」という処置を行う。
ちなみシンクなどで洗い物などをした排水は「グレータンク」に貯められるが、トイレから出る排水は「ブラックタンク」に貯められる。排水のレベルで区別されているのだ。なのでそれぞれ排水処理を行う際のホースも種類が異なる。決して混同してはいけない。
↓↓↓↓↓↓写真はブラックタンクの中身を排出しているところ。色々と危ない。
さて、こうしてサイトのインフラに接続している状態であれば、電気と水は無尽蔵に供給されるわけだが、実はモーターホームにはこれとは別にプロパンガスが搭載されていて、キッチンのコンロや冷蔵庫の冷却、停車時に使う暖房などに用いられている。このプロパンガスはすぐに切れるものではないが、キャンプ場のサイトでは供給されず、ガソリンスタンドなどで別途補給するしかないので注意して欲しい。
いずれにせよ、キャンプサイトに着きさえすれば後は快適なモーターホーム生活が待っている。
以前の記事にも書いたが、アメリカのキャンプ場はトイレ、シャワー、売店が完備されており、清潔で快適だ。たいては美しい緑に囲まれ、のんびりとするにはもってこいの場所にある。
↓↓↓↓↓↓↓写真はセドナの外れにあるキャンプ場。緑が多くて静かで、ドッグオーナーが多かった。
↓↓↓↓↓↓トイレ&シャワー&ランドリーの小屋。狭いけど清潔
ちなみに売店の写真を撮り忘れてしまったが、キャンプ場の売店では大抵のものが売っている。一例を挙げると下記のような感じ。
・食料品(加工食品、菓子、アルコール類などはもちろん、時として各種精肉など)
・燃料(薪やら炭やら着火剤やら)
・日用雑貨(洗剤から石鹸・シャンプーなどのコスメティックまで)
・土産物
さらにはモーニングコーヒーのサービスを振る舞うキャンプ場などもある。アメリカ人は無料のモーニングコーヒーが大好きだ。
ザイオンのキャンプ場に一泊した翌朝、マグカップを片手にウロウロと徘徊する老人の一団を見た。朝の散歩をしていた私を捕まえて「コーヒーはどこだ?」と問い詰めてくる。
それぞれ20万ドルはするであろう、豪華なモーターホームで乗り付けているセレブ老人のくせに。僕は「あっちじゃないですか?」とランドリールームの方を指さした。
そして老人たちがガヤガヤとその場を立ち去った隙に、売店の脇に置いてあるコーヒーポットにたどり着き、無料のコーヒーサービスを楽しんだ。
麦茶のように薄いコーヒーだった。