出雲が消滅した理由と、最新刊「災神」の告知と。
しつこいようですが、わたくしめの最新刊「災神」が6月1日に発売となりました。
謎の災厄に襲われ、一瞬で壊滅した出雲の中で、外部との連絡が阻まれた生存者たちが生き延びようとするパニックサスペンスです。
まだ発売から間もないですが、読み終えた方々から「面白くて一気読みした」「途中から(読み終えるまで)あっと言うまでした!」などのコメントいただき……というか、ネット上をエゴサーチして確認しており、楽しんでいただけて幸いと思っている作者です。
そんなエゴサーチの最中「地方都市の出雲が舞台って珍しい」とか「いったい出雲に何の恨みが??」みたいなコメントを見て、なるほどと思った次第。
言われてみれば確かに、パニック物って普通は大都市を舞台にしますよね(よく言われることだけど、ゴジラやガメラは都会にしか上陸しない)。
ではなぜ「災神」の舞台は出雲なのか?
実は僕自身は、出雲に格別な縁はありません。というより、この作品を書くまでは足を運んだこともありませんでした。
でも本作は海からやってき災厄に人類が立ち向かう、現代の神話として描かれた物語。だから舞台は神話ゆかりの地である出雲にしようと決めたのでした。
物語を書き進めるうちに、実際にこの目で現場を確かめたくて、出雲へ取材に赴きました。
最初に訪れたのは、作中でも何度か登場する稲佐の浜です。かつて国譲り神話の舞台のなったこの場所の中央には、豊玉毘古命を祀った「弁天島」が鎮座しています。
これ以外にも、出雲の各地には神話ゆかりの名跡が様々あり、素晴らしいインスピレーションを与えてくれたのでした。
稲佐の浜を、高台にある奉納山公園から見下ろした風景。
奉納山公園からは、市街地が一望できます。何が起きたのか、全てを見ることができるわけです。
最後の決戦の舞台となるのが、この島根県立中央病院です。
そして出雲そば(作中では戦闘糧食とビスコしか食べる機会がないですけどね)。
初めて訪れた出雲は素晴らしい場所でした。
近いうちに、また足を運びたいと思っています。
そして「災神」がなぜ神話の形を取る必要があったのか、その話はまた今度!