ストーンヘンジとエイブベリーの幽霊パブ その2 ~イギリス旅行~
ロンドンから電車とバスを乗り継いで辿り着いたストーンヘンジは柵で仕切られ、近くに寄ることが許されないミステリースポットスポットだった。
ストーンヘンジとエイブベリーの幽霊パブ その1 ~イギリス旅行~ - 風とビスコッティ
立憲君主制度の先駆けとなった英国が、このような閉ざされたミステリースポット運営をしているとは信じがたい。私は落胆し、次の巨石群へと足を運ぶことに決めた。
エイブベリー巨石群である。
会いに行ける巨石群
ストーンヘンジのある町、ソウルズベリーから北に50キロほど離れた場所にエイヴベリーという村がある。
田舎なので、交通アクセスははっきり行って不便だ。今回はソウルズベリーの駅前でレンタカーを借りて訪問した。車で一時間ほどの道のりだが、道中に商店などは何もないので気をつけよう。
※ロンドンから直接訪問する際は、電車でエイブベリーの北に位置するスウィンドンまで行くと、エイヴベリーへのバスがあるらしい。
この小さな村は、村自体が巨大なストーン・サークルに囲まれている。ストーンヘンジとはまた違った意味でスペクタクルを感じさせてくれる場所だ。
日本ではストーンヘンジばかりが有名だが、このエイブベリーの巨石群もまた太古の巨石文化が生み出した謎の遺跡であり、世界遺産に認定されている。
ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群 - Wikipedia
最大の特徴は、ストーンヘンジが地盤の劣化などの理由で近づけないように管理されているのに比べて、エイブベリーの巨石群は自由に近づけるという点にある。
村を散策すると、あちこちに高さ数メートルの巨石が点在している。
村の中心地にはビジターセンターがあり、古代の暮らしを紹介する博物館、カフェ、売店など一通りの施設はそろっている。日本ではまったく知名度がなく、辿り着くのも不便な場所なので人などいないだろうとタカをくくっていたが、平日にも関わらずたくさんの観光客の姿があった。
まぁ、日本人には無名かも知れないが、地元の人は訪れるのだろう。ストーンヘンジが富士山なら、エイヴベリーは忍野八海くらいの位置づけと見た。
会いに行ける幽霊パブ
ここエイヴベリーのもう一つの目玉が「幽霊パブ」だ。
村の中心部にあるパブ「レッドライオン(The Red Lion)」は、「全英でもっとも幽霊に取り付かれたパブ( one of the most haunted pubs in England)」として有名らしい。
The Red Lion Pub, Avebury, England
このパブには複数の幽霊が住み着いていると言われているが、その中でも印象的なのは井戸に投げ込まれた女性の幽霊だ。
17世紀頃、夫の出征中に浮気をしていた女性が、突然、家に帰って来た夫の手で殺され、井戸の中に投げ込まれたというもの。井戸と女の幽霊というのは日本でも定番の怪談の材料だが、このパブが凄いのは、その井戸が現存しているということだ。
しかも、井戸をテーブルに作り変えて、客席にしてしまっている。
しかも、中が良く見えるようにライトアップしてる。
もしも立ち寄ることがあれば、ぜひこの井戸テーブルの中を覗き込んで欲しい。覗き込んだ結果、井戸のそこに何が見えたか。それは見に行った人だけが分かる。
おまけ
英国のパブのトイレはサイズ別になっている。
金を受け取らないコンビニと渋谷道玄坂上の朝
294円。
確かにレシートにはそう書いてある。だけどレジのおじちゃんは
「280円でいいからね!」
ちょっと怒った風にそう言う。
アメ横で板チョコを買っているのではない。れっきとした都心のコンビニでの出来事である。
お店に迷惑がかかるかも知れないから、詳細についてはボヤかすことにする。
渋谷のどっかにあるそのコンビニに朝立ち寄ると、おそらくオーナーであろう白髪のおじさんが斬新な接客をしてくれる。
「袋、いいです」「黙れ!俺は袋に入れる!」
コンビニでブラックサンダーやスニッカーズを一個だけ購入すると、不毛なマニュアルトークが発生すると思う。
すなわち
「袋、入れますか?(いらないよね?)」
みたいなコミュニケーション。
持ち重りのする品物でなければわざわざビニール袋に入れる必要は無い。
だけど無言で商品を裸のまま渡すのも失礼な感じだから、念のため聞くのだ。ミスタードーナツでドーナツを20個買った時にも同じ現象が起きる。
「お持ち帰りですか?(そらそうだろうけど)」
みたいな確認。
だけど、このコンビニは違った。おじさんは袋の有無を聞きはしない。僕が買った一枚のマカダミアナッツ入りチョコチップクッキーをちっちゃい袋に入れようとする。袋の口が滑ってうまく開かず、おじさんは袋を一生懸命カシャカシャとこすっている。
僕は袋なんか要らない。クッキーはバッグに放り込んでいけばいいのだから。
僕「あ……袋、いいですよ」
おじさん「そんなわけにはいかんやろ!」
一歩も引かず、おじさんは袋をカシャカシャこすり続ける。レジには会計待ちの列ができている。
「280円でいいからね!」
会計は294円だった。レジの液晶画面にそう表示されている。一杯のコーヒーとクッキーが一枚。僕は500円玉一枚と、一円玉4枚を財布から取り出そうとした。するとおじさんは
「280円でいいからね!」
と少し怒ったような口調で言い放った。
子供のころ、駄菓子屋でお菓子を買うとたまにオマケをしてくれたものだ。だが、その頃を思い出して心温まったりはしない。このままではレジの出納が合わなくなってしまうからだ。本部の人からこっぴどく怒られるのではないか?それとも実はこのおじさんがコンビニチェーンの総帥だったりするのか??
だが言い争っても仕方がない。僕は黙って500円玉を渡す 。
お釣りとして240円が返ってきた。
もはや突っ込む気力も無かったので、そのまま受け取っておいた。
立ち去ろうとする僕に向かって、おじさんはニッコリと微笑んだ。
「いつも来てくれて、ありがとね!また来てね!」
初めて立ち寄ったコンビニだった。
年末調整と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社と、愛のままにわがままに
年末調整の季節。合併を繰り返した保険会社の名前が長すぎるとニュースになっていた。
Yahoo!ニュース - 長い社名、年末調整騒動で公式回答 (web R25)
一例に挙げられていたのは「損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社」などだ。確かに長い。年末調整の書類の、あのちっさい欄に書き込むことを想像すると、米粒に般若心経を書く方がまだ容易に思える。
だがお互いの社名を尊重した結果の苦渋の選択というのも理解できる。名称を略すことは難しいだろう。例えば音楽界で「Bon Jovi」と「MR.BIG」が合併したとして、バンド名を「Mr.Bon Jovi」に改名するだろうか?いやそれはない。
※ガンズアンドローゼス、シャ乱Qといった例外には言及しない。私は忙しいのだ。
だがユーザーに親しみを持って覚えてもらえる商品名、サービス名にするためには、適切な文字量に収める必要があるだろう。
大切なのは文字量だけだろうか?
記憶のしやすさに影響を与えるのは、文字量だけでなく、言葉の意味や語感も重要だ。理解できない言葉は例え三文字でも覚えられない(※私はジェームズ・キャメロンが監督した深海SF映画のタイトルが覚えられない。どうしても“アヌス”という言葉が浮かんできてしまう)
例えば
“リガトーニ・アッラマトリチャーナ”
と言われると何のことか分からない上、絶対に暗記できない。だが、
“ベーコン・玉ねぎのトマトソースとマカロニ、サラダも付いて850円”
と言われると、にっこり笑って注文し、食後のエスプレッソもよろしくね、という気分になろうと言うものだ。
話は変わるが、同じ理由でワインに知識の無い私は、葡萄の品種や蔵元の名前が羅列してあるワインリストを見せられるといつも困惑する。
ワインに詳しい知人にその話をすると
「知識がないことを恥ずかしがる必要は無い。軽めの白がいいとか、重たく渋い赤がいい、とか、客は自分の好みを伝えればいいんだよ。店の人たちはプライドを持ってワインをそろえている。好みを伝えれば、それに合ったワインがどれなのか、必ず教えてくれるよ」
と言われた。
だったら最初からワインリストに「重めの赤」とか「軽めの白」とか書いとけと思うのだが…。
長短に関わらず覚えられる不思議
ちなみにやたらと長い曲名だが「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」や「いとしさとせつなさと心強さと」は覚えていられる。文字量としてはなかなかのボリュームがあるにも関わらず、だ。
これに関しては、単純に曲のフレーズと一緒に覚えているのだと思う。
物事を暗記するための歌というやつはたくさんある。例えば巨乳の女性にカップ数を聞いた直後、八十五パーセントの男性が口ずさむと言う、ABCの歌もそれだ。26文字の順列を暗記するのは大変だが、音楽に合わせてならそれが可能なのである。
歌ではないが、サラ・ジェシカ・パーカーやキャサリーン・ゼタ=ジョーンズなどの長い人名も、語呂が良いので覚えていられる。「長い顔の人」とか「マイケル・ダグラスの嫁」と呼ぶことはない。日本人にも発音しやすくて、口にした時に気持ちがいいフレーズだからだろう。
※我々は“タランティーノ”は発音できるが“クェンティン”は苦手だ。
そうやって考えてみると、コマーシャルソングの力はやはり偉大で、富ぅ士ぃ!サァファリパーークッッ!や伊東に行くならハートーヤッ!などの施設名は、一度も行ったことがないにも関わらず、まるで初恋の相手の名前のように覚えているものだったりする。
そうやって考えると、合併を繰り返して長くなってしまった保険会社、銀行などが次に打つべき手は、適当な略称を考えることではない。小林亜星やキダ・タローにお願いして日本国民の心に響くコマソンを作ることだ。Bzあたりにシャウトしてもらえばきっとアビスよりも深く浸透するだろう(適当)。
abyss(英)【名詞】深いふち,底の知れない深い穴.
ストーンヘンジとエイブベリーの幽霊パブ その1 ~イギリス旅行~
イギリスの三大ミステリーと言えば、謎の巨石群ストーンヘンジ、ネス湖の怪物ネッシー、ポール•マッカートニーの死亡説なわけだが、この夏、ストーンヘンジにお邪魔してきた。
ロンドンからソウルズベリーへ
ソウルズベリーはストーンヘンジにアクセスするための拠点だ。それほど大きくはないが、南側には歴史ある大聖堂があり、趣を感じさせる町である。
町の中心にある広場で美味いステーキを食べ、川沿いにあるパブでエールを飲んだ。
酔っ払わないうちにストーンヘンジに行ったほうがいい。誘惑が多いから気をつけよう。
ストーンヘンジはソウルズベリーから10キロほど北に位置している。歩くのが好きな人は三時間くらい歩けばたどり着けなくもないが、町の中からツアーバスが出ているので普通はそちらを利用する。
http://www.thestonehengetour.info/route
一時間に一本。ストーンヘンジまでは30分くらい。季節によって時刻表が違う。
The Route of The Stonehenge Tour | The Stonehenge Tour
料金は運転手さんに直接払う。このツアーバスはストーンヘンジの入場料が含まれており、乗っていけばそのまま観光ができる。個人で直接行く場合には別途WEBサイトから予約が必要という噂もある。ご注意を。
料金は幾らだったか忘れたが、僕の前に乗ろうとしていた中国人の大学生たちが、値段を聞いて溜息をつきながら払っていた。まぁ、それぐらいの価格だ。
ちなみにバスはソウルズベリーの駅前が始発。
街中の幾つかのバス停からも乗ることができる(ストーンヘンジツアーの目印がある)が、分かりづらければ駅から乗るといいだろう。
お触り禁止の巨石群
二階建てのバスに乗ったら、田舎道を北へと向かう。バスは思いの他スピードを出す上、道が狭いので道路わきの木々の枝がバンバンぶち当たってくる。調子に乗って二階席最前列に座ると、お願いしていないのにスターツアーズのようなスペクタクルを味わうことができる。まぁ、びっくりして「うわっっ!」と大声を出すはめになると思うが。
後ろの席で中国人の大学生たちがクスクスと笑っていた。
30分ほど走ると、ストーンヘンジのビジターセンターが見えてくる。
安藤忠雄っぽい建築物なので、たぶん安藤忠雄が設計したのだと思う。というか、世界の建築物の半分はTADAO ANDOで出来ている。
ツアーバスに乗って訪れた場合、降りた後で運転手さんが団体受付からチケットを取ってきてくれるので、それを持ってからビジターセンターに向かう。売店やトイレ、音声ガイドの貸し出しブースがあり、いよいよストーンヘンジの見学が始まるのだという気分が高まる。
だが、それは罠だ。そこはストーンヘンジじゃない。
ストーンヘンジはそこから小さなシャトルバスに乗り換え、さらに五分ほど走った先にある。シャトルバスには大行列だ。ストーンヘンジに着いたと安心して売店を覗いてたりすると乗り遅れる。注意しよう。
シャトルバスを降りると、ストーンヘンジは目の前だ。
目の前だが、柵に囲まれているせいで近づけない。100メートルほどの距離を置いて周囲をグルグル回ることになる。
音声ガイドによる解説もそこそこボリュームがあるので、駆け足で見学しても30分はかかるだろう。気をつけたいのが帰りの時間だ。シャトルバスが混むこともあるので、あまり遅くならないよう、訪問する時間には気を配った方が良い。
巨石群を見た感想だが、あまりに遠すぎてちょっと残念な感じだった。
期間と人数を限定して、柵の中に入れるツアーもあるらしいのだが・・・・・・。
この無念は、翌日のエヴベリーで果たすことになる。会いにいける巨石群、幽霊パブについては、また後日アップする。
おまけ。
売店で売っていたストーンヘンジ“Rock”Tシャツ。
“Rock”じゃなくて“Stone”だろ?と突っ込みを入れつつ、そもそも“Rock”と“Stone”の違いを知らない自分に気づいた。
まぁあれだ、“Rock”はピープルズ・チャンピオンで“Stone”はガラガラ蛇だってことだろう。
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アシモとタイのおじいちゃん
友人から聞いた話なので真偽のほどは定かではない。
以前、HONDAが自社開発したロボット「ASIMO」のお披露目イベントを世界各地で行っていた時のことだそうだ。
photo credit: Ars Electronica via photopin cc
タイのとある会場を借り切って、タイの皆様に日本が誇る最新鋭ロボットをお披露目するイベントが開かれることになった。
現地で一番大きなホールが貸し切られ、本番に向けて粛々と準備が進んでいく。
中でも一番の目玉はASIMOの登場シーンだ。
予定では、暗転したステージ上にスポットライトが当たった瞬間、ASIMOがあの特徴的な足取りでゆっくりと出てくるという段取り。
MC、照明、音響、それぞれがタイミングをピッタリ合わせないと台無しになる。
そこで舞台監督はタイミングをはかる練習のため、現地のスタッフの中から、ASIMOと背格好が似通ったタイ人のおじいちゃんを選んだ。おじいちゃんは何度もステージ上を行き来しながらASIMOの代役を務め、みんなの練習相手を務めた。
スタッフの多くは現地のタイ人であり、言葉が通じない壁はあったが、みんなが一丸となって舞台を作り上げていった。
そして、イベント当日。
居並ぶ観衆。タイのマスコミや市民たちが、日本の技術力の粋を集めたASIMOをひと目見ようと詰め掛けてくる。
これだけの大観衆を前にして、ヘマは許されない。
そして、いよいよ暗転、スポットライトが舞台を照らす!
そこに颯爽と現れたのは、あのタイ人のおじいちゃんだった!
おじいちゃんを始め、日本語がわからない現地のスタッフたちは、あの練習の意味がわからず、本番もおじいちゃんが登場するものだと思い込んでいたそうだ。
一世一代の大舞台を潰された舞台監督が 激昂して「このあHONDAらがっ!」と叫んだかどうかは、定かではない。
どっとわらい。
アメリカでキャンピングカーをレンタル(3) ~運転する編~
キャンピングカーを借りるまでのくだりはこちら↓↓↓↓
アメリカでキャンピングカーをレンタル(1) ~借りるまで編~ - 風とビスコッティ
アメリカのキャンプ場についてはこちら↓↓↓↓
アメリカでキャンピングカーをレンタル(2) ~実際にキャンプする編~ - 風とビスコッティ
さてキャンピングカーで旅行をしてきたと話すと、一番心配されるのが「運転は大丈夫だった?」という点だった。
本記事では、アメリカでの運転事情について説明していく。
ただし、筆者はアメリカで暮らしているわけでもなく、観光旅行でレンタカーを運転しているレベルだ。本記事には悪意の無い思い違いが含まれているかも知れないので妄信しないで欲しい。
人生の中で厄介なのはたいてい悪意の無い何かだったりするから。
ドライブ事情その1 道路について
広大な土地を持つアメリカでは、自動車がないと生活できない。そのため運転免許の取得は容易だし、面倒な車検もない。万人が利用できるよう、自動車に優しい社会になっている。
そのため、道路は道幅が広く、道の構造や標識もシンプルて明解なものになっている。東京の入り組んだ道路がスーパーマリオの8-1くらいだとしたら、アメリカは1-1くらい。まぁ大都市に限っては
4-4くらいだから、キャンプで訪れるような土地を走っている分には、そんなに問題はないだろう。
ドライブ事情その2 給油について
まず気になるのはガソリンだが、もちろんいたるところにガソリンスタンドがある。
スタンドは原則セルフサービスで、自分でガソリンを入れる。なので自分の車がディーゼル車かガソリン車かは事前に調べておこう。ガソリンの場合、オクタン価の違いで複数の種類が提供されている場合が多い。
続いて戸惑うのは支払いの方法だ。だいたい以下の3種類に大別される。
- 先払い(クレジットカード)
- 先払い(レジ)
- 後払い(現金orカード)
1.は日本のセルフガソリンスタンドと同じ。給油ポンプの場所にカードの読み取り機があって、その場で支払って給油する。ただしカードを使う時にZIPcode(郵便番号)を聞かれる時があり、日本の郵便番号を入れて認証が通る時と通らない時があった。
アメリカという国は、機械という機械はすべて故障しているか不調なので、そういう仕様なのか単に壊れているのかは不明だったが、そうなったら大人しく店内に入ってレジでお金を払おう。
また都市部だと1.が多いのだが、田舎だと2.か3.のケースが多くなる。この場合もスタンドの店内(大抵は雑貨屋を兼務している)へ入ってレジでお金を払う(どの給油ポンプを使ったか番号を聞かれる)。
手順が分からなければ、悩む前に店の人に聞こう。ガソリンスタンドの店員は大抵、愛想が良い。みんな暇だからだ。
キングマンの付近でガソリンを入れた時、操作方法がわからず困っていると、店員のおばちゃんが親切に手伝ってくれてた。さらに給油が終わった後で「おめでとう!」とハーシーのチョコバーをくれたものだ。チョコは売り場の棚から勝手に持ち出し、自分も食っていたようだが、あのスタンドの経営は大丈夫なのだろうか。
また辺鄙な地域に行くと、「LAST GAS」みたいな看板を掲げたガソリンスタンドにお目にかかる。これは「この先しばらくガソリンスタンドは無い=ウチが最後のガソリンだよ」という意味だ。
拙著「クイックドロウ」の中でも主人公はその辺りを理解していなくて、砂漠のど真ん中に放り出されることになる(宣伝)。
Amazon.co.jp: クイックドロウ (ゴールデン・エレファント賞): シュウ・エジマ: 本
ドライブ事情その3 トイレ!トイレ!トイレ!
徳川家康は武田信玄に追われた際、恐怖のあまり馬上で脱糞したという。征夷大将軍ですらそうなのだから、我々凡人は常に排泄のリスクについて万全を期すべきであろう。
まぁ、キャンピングカーで移動しているならそれほどトイレの心配は無いかも知れない。
しかし、キャンピングカーのトイレはあくまで簡易的なものであり、快適に用を足したいのであれば、キャンプ場でトイレを借りるべきだ。
また、道路沿いにあるガソリンスタンド、ファストフード店、スーパーの商業施設でもトイレを借りることができる。マクドナルドやタコベル、ウォルマートなどの全国チェーン店のトイレは概ね清潔で快適だ。
稀にあるハイウェーの休憩所に設置された公衆便所でもいい。
ただし、個人経営の商店のトイレは期待しない方がいい。エリア51へ向かう途中のドライブウェイでトイレを借りようとしたら、入り口の手前数メートル付近から強烈な異臭が漂ってきた。そのまま中へ入れば未知との遭遇になることは必至だったので、結局我慢した記憶がある。
ドライブ事情その4 あると便利な3つのもの
広大なアメリカを車で移動するとなると、日本とは比較にならないほどの距離を走ることになる。
重要なのは長丁場のドライブに備えることだ。
以外に重要なのは火器の三つ
- サングラス
- 飲み物
- ポータブル音楽プレーヤー
日差しの強いアメリカを走る時サングラスは必須だ。場所によってはまともに運転できないほど眩しいこともある。
また、日本より湿度の低いアメリカでは、気がつかないうちに体が乾燥していることがある。運転しながらこまめに水分を補給するため飲み物を用意しよう。
ちなみにファストフードのチェーン店のソフトドリンクは、大抵やたらとサイズが大きくてお代わり自由だ。食事が終わった後、気が済むまで飲み物を注いで持って行けばいい。おすすめはルートビアだ。大正漢方胃腸薬のような奇怪な味がして、一気に目が覚める。
最後に重要なのは、音楽プレイヤーだ。アメリカの道中、意外とラジオが通じない場所が多いし、そもそも観光客にはどんなチャンネルが望ましいかも分からない。自分のお気に入りの音楽を持っていった方が無難だ。
では、よい道中を。
次はいよいよキャンピングカーでのキャンプについて紹介する。
映画『エクスペンダブルズ3』と売り切れたパンフレット
公開から遅れること二日。今年最も重要な映画『エクスペンダブルズ3』を観に行った。
前回のエントリーでこの映画の重要性については散々説いた。
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映画『エクスペンダブルズ3』とチャック・ノリス - 風とビスコッティ
後は劇場にて無心で楽しむだけだ。
オールスター!かつみんな笑顔満載のパンフレットの見開き。何かもう映画とか関係なく、ノリノリ感が伝わってくる。OBがハリキリ過ぎる学園祭のノリである。
「資金はアコムで調達してきたぜ……」バーニー・ロスの等身大人形。
スクリーンに向かう途中ですでにワクワクしてくる。
想像以上に完成度の高いオールスター映画。
映画の出来としては、予想以上だった。前作に加えて新たにハリソン・フォード、メル・ギブソン、アントニオ・バンデラス、ウェズリー・スナイプスという、考古学に詳しいキリストが夜明けまで吸血鬼と戦う映画が撮れそうな豪華ゲストが参戦。これだけのゲストに見せ場を作る必要があるとなれば、映画としては破綻しそうなものだが、きっちりと物語をまとめあげている。
ストーリーの中心は、バーニー・ロスの過去との決別。古兵は、かつての仲間を相手取り、新たなメンバーを迎え入れて戦いに赴く。
スタローンが見せた、後進への想い。
映画の序盤でエクスペンダブルズのメンバーは傷つき、チームは崩壊する。ロートルとして限界を感じたバーニー・ロスは世界中から若いメンバーを集めて新エクスペンダブルズを結成する。
まぁ当然ながら観客は、この新エクスペンダブルズでは歯が立たずに、ジェイソン・ステイサム以下の旧メンバーが助けに来る展開を予想するのだが、実際にはちよっと違う。
躍進する若手、そこに立ち向かうおっさんの悲哀、というのは『ロッキー5』以来、スタローンが何度も描いてきたカタルシスだ(ドリブンやロッキー・ファイナルも然り)。だけど今回は違う。若手がしっかりと活躍する。80年代のスターさんを観に来たこっちからすれば「誰?こいつ?」な四人の若者なわけだが、ちゃんと見せ場がある。ヤングもおっさんも、きっちり活躍するのだ!(パンフに書いてある説明文によればV6的に言えばトニセンとカミセンのドッキング!)
この一点で、スタローンが『エクスペンダブルズ』をどう捉えているか分かるような気がする。かつてはおっさんたちの回顧的オールスター企画だったこのシリーズは、確実にアクション映画の復興に一役買っている。後進に道を示し、またアクション黄金時代が来ることを願っているように思えるのだ。
後はこの列車に、誰が乗るか。関心はそれだけだ。
ギャラの問題でブルース・ウィリスが降板したそうだが、それ以外のメンバーは破格の金額でこの仕事を請けているらしい。そらそうだ、アクション映画復興のための『エクスペンダブルズ』で消耗品となるのは業界の義務のようになりつつある。
後は、誰がこの列車に乗ってくるかだ。
ジャッキー・チェンはスタローンとの二大主演じゃなきゃ嫌だみたいなダダをこねたらしいし、イーストウッドはまだ一作もシリーズを観てないと言い張る。
まぁ、いいだろう。みんなそれぞれ事情があるんだろうし。
だけど、今年もスタローンはステロイドで心臓が止まりかけながら、エクスペンダブルズ亭を開店している。みんないつまでも生きてるわけにはいかない。さっさとこの列車に乗れ!時計台から落下しながら「俺、何発撃ったっけ?」って言え!コックの振りして戦いに巻き込まれて、街中でドリフトしながら、壁を蹴って三角飛びしながらマシンガンを撃ちまくれ!
個人的にはショー・コスギに復活を果たして欲しい。期待しまくって観た映画『兜』は死ぬほどつまらなかった。リベンジを果たすなら、最後の機会だ。
売り切れたパンフレット。今から4が楽しみで仕方ない。
ネットやTwitterで多くの人がパンフレットの写真をアップしていた。しかし二日遅れて劇場に駆けつけた私が購入できたパンフレットとは表紙のデザインが異なっていた。
限定版があったのだ。
たった二日で売り切れた限定版のパンフレット。観客たちの熱量が伝わってくるではないか。消耗品上等。今から4が楽しみで仕方が無い。